白紙

H1608ニューヨーク

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夏休みを利用して高一の次男とアメリカはニューヨークに遊んで参りました。
ニューヨークの中心、世界の交差点と呼ばれるタイムズスクエアにある
マリオットマーキースと言うホテルに泊まりまして
オプショナルツアーでの一日観光という予定であります。

いつも賑やかなタイムズスクエア
到着した日はチェックインまでまだ少し時間があるので
荷物をホテルに預けて少し街歩きをすることにしました。
まずはタイムズスクエアに面した旅行者用のガイドセンターで
ただの地図を貰うことにします。
棚にバス路線図など数種類の地図があって
ほかにもいろいろパンフレットがありました。
皆フリーなのをいいことにいくつもパンフレットを貰いました。

次男が時計を持ってこなかったので
一つ安い時計を買おうと言うことになりまして
ホテル近くの土産物屋を覗いてみるとあるわあるわ
文字盤にSEIKOだのCITIZENだのとロゴが貼り付けてある
どう見てもそうじゃない時計がたくさん並んでいます。
30ドルだって言っていました。
で、買おうかと思って（←買うのかよ）財布を見て
未だドルに両替をしていないことに気づきました。
いままで買う気で値段を聞いたりしていたのに
急に僕たちが
「これいらない。私たち、お金持ってなーい」と言いだしたので
イラク人風の店員二人は凄く険しい顔で僕たちを睨みました。
怖かったです。

さらに街を進むとAmericanExpressの両替所のようなものがありました。
ここは旅行者向けのプランなどの相談にも乗ってくれるようです。
両替のための列に並んでいたら僕らのすぐ前にいた
いかにも旅行者風の初老の小太りのおじさんが
僕たちに何か話しかけてきます。
ほとんど聞き取れないんですがどうやら
「お前たちは何しにここに来たのか、旅行の相談なら
ここに並ばないであっちのデスクに行けばよいのだぞ」
と親切に言ってくれているようなのです。

僕たちが
「We want to exchange.」と言うと納得してくれました。
しかし並んでいるうちにある不安が生まれてきました。
ここはAmericanExpressな人のための両替所ではないのか？
と言う疑問です。
僕は勇気を出してさっきのおじさんに
「ここはアメリカンエクスプレスのカードメンバーだけの両替所ですか？」
って聞いてみました。
そうするとおじさんはそのことについては判らなかったらしくて
「俺が聞いてきてやる」と言って店の人に聞いて来てくれました。
「メンバーじゃなくてもいいそうだ。手数料も同じだってよ」と教えてくれたのです。
なかなか親切なおじさんです。
ここで僕たちは５万円を両替しました。
大金であります。

またあの時計の店まで行って時計を買う気にもなれずに
その日は近くの土産物店で安いTシャツなどを買って楽しんだのでありました。
帰りには小さな食料品店でバドワイザーを２缶買って
部屋で意味のわからないテレビを見ながら２缶とも飲んでしまいました。
だって部屋には冷蔵庫がなかったんです。

二日目は朝からニューヨーク一日観光のツアーであります。
高級住宅街のアッパーウエストサイドや
今も小野ヨーコが住むというジョンレノンの住んだ「ダコタハウス」を見ました。

アッパーウエストサイドですね
さらに メトロポリタン美術館の前でおのおの写真撮影です。
時間がないので今回は美術館には入りませんでした。
ちょっと惜しかったですけどこんなところに入ったら
いくら時間があっても足りませんので
そのうち機会があったらまた来ることにします。

ティファニーなどが立ち並ぶ五番街を車窓より観光の後
国連ビルに立ち寄ってロビーまで入ってみました。
ロビーにはいるだけでも厳しいボディチェックがあり
さすがテロが起きそうなところだけある感じでした。

その後、中華街でお食事です。
中華街の中華は決しておいしくありませんでしたけど
こちらのお店で出てくる特大のステーキよりはまだましな感じでした。
それにしてもどうしてニューヨークの店員さんは
あんなに愛想と態度が悪いんでしょうか。
春巻きなんかそれぞれのお皿の上にコロンって落とすんですよ。
隣り合わせた日本人OLの方がにこにこと料理を取り分けてくれたり
店員よりもよほど親切でした。

食事の後はサウスストリートポートから遊覧船に乗って
マンハッタン島の周りを１時間ほどうろうろしました。
最初にイーストリバーを北上して国連ビルの前まで行ったら反転
全速力で南下して今度はハドソン川を少しだけ北上
すぐに下流に押し戻されて移民局のあったエリス島を見ながら
自由の女神の前を通過するというプログラムです。
これが意外に楽しくて
川から見るロウワーマンハッタンのビル群やミッドタウンの摩天楼が
ニューヨークに来ていることを実感させてくれるわけですね。
風も気持ちよくてとても楽しかったです。

イーストリバーから見たロウワーマンハッタン


イーストリバーから見たミッドタウン、エンパイアステー トビルがひときわ高いのが判ります


おな じみ自由の女神、近頃はお台場にもいますね
船上のデッキには達也は同席していなくて
船室に降りてしまっていました。
父親と一緒に並んで座るのはイヤのようです。
そういう年頃かなって思って放っておいたのですが
後で聞いたらひどい船酔いでデッキにはいられなかったのだそうです。
かわいそうなことをしました。

船を降りた後僕たちはグランドゼロを見学しました。
ここにあのWTCが建っていたのだと思うと感無量です。
テロの前に来て登っておきたかったです。

ここがあのグラウンドゼロ ですね。ぺんぺん草が生えていそうでした
ガイドの話によるとWTC跡地には
新しく世界最高の高さのビルを建てる話が持ち上がっているそうですので
そのビルが出来てからまた来て登るのが良いものと思われます。

次に僕たちはあの有名なエンパイアステートビルに行きました。
ここでツアーは自由解散です。
ビルでの時間制限はないわけですね。
このビルはいつも混んでいるのだそうで
僕たちが行ったときも建物の中に長い長い列が出来ていました。

右の列が突き当た りまで行って反転、左の列につながります
１時間以上並んでやっとエレベータに乗れました。
しかもエレベータは８０階で一度乗り換える必要があります。
ここでもまたしばらく列に並ばなければならないのです。
やっぱりWTCが崩壊したため
エンパイアステートビルの存在が大きくなった気がします。
おまけに途中で強制的に写真を撮って
帰りにこれを売りつける姑息な商売もやっている有様です。
まったくアメリカという国は下品な連中がたくさんいる国であります。

エンパイアステートビルの展望台は素晴らしい眺望でありました。
小生は不勉強で知らなかったんですがガイド氏によると
このビルはフランクリンルーズベルトによるニューディール政策によって
建てられたものだそうですね。
86階の屋外展望台から見たニューヨークの街は模型のようで
まるでヘリコプターから見下ろしたみたいに気持ちの良いものでした。
六本木ヒルズにあるニューヨークの模型を思い出しますが
その模型の真ん中の建物の中から
街を見下ろすのはまた格別であります。

高層ビルの多くが古いことに驚かさ れます。昔から高層ビルなんですよね
少し離れたところにあるクライスラービルも相変わらず美しかったです。
国連ビルも見えるし昔PANAMビルと呼ばれていたビルがMetLifeと名を変えて
むかしどおりに立っているのも見ました。
栄枯盛衰は世の習いでありますね。

真ん中にクライス ラービル、左の方に元パンナムビルですね
ロウワーマンハッタン方面のビル群もニューヨークらしいです。
その手前にはフラットアイアンビルも見えます。
こうした風景もだんだん見慣れてくるのが人間の凄いところですね。

マンハッタン島先端部のロウ ワーマンハッタンのビル群も凄いですよね
帰り道は８０階までは階段で下りた方が早いと聞かされて
階段を利用しました。
よく見るとこの階段は時々テレビで見る
エンパイアステート駆け上りレースの時に出てくる階段ではないですか。
ちょっと得した気分になれた経験なのでした。

一日あちこち見て歩いたらすっかり疲れてしまって
ホテルで泥のように仮眠してしまいましたが
夕食を食べないわけにもいきません。
なにより大枚払ってミールクーポンを買ってあるので
指定されたなかのどこかの店で食べなくてはなりません。
リストの中からロウワーイーストサイドの
「しゃぶ辰」というしゃぶしゃぶ屋さんに行くことにしました。
と言ってもここは僕らのいるタイムズスクエアからはかなりあるので
思い切って地下鉄に乗っていくことにしました。

実は今回のツアーには
地下鉄7日間乗り放題というカードが付いてきていたのです。
ガイドブックなどには地下鉄は昔より安全になりましたと書いてありますが
その一方で深夜は乗らない方がよいとか
危ない地域には行かない方がよいとか
電車を待つときには警官や駅員がいるところか
あるいは監視カメラがあるウェイティングエリアで電車を待ちなさいとか
不安になるようなことがいっぱい書いてあります。

しかし地下鉄に乗らなければ夕食が食べられないのであれば
是非もありません。
意を決してタイムズスクエアから
恐怖の地下鉄に乗ることにしたのでありました。

地下鉄は予想よりもきれいでした。
乗客もごくふつうの人達のように見えました。
しかし皆無表情に押し黙って殺伐とした雰囲気で
不思議な緊張感さえ感じられます。
「いつ何がおきても不思議では無い」感があるのです。
正直に言えばやっぱり怖かったです。

それでも無事に目的の駅に降りて目指すしゃぶしゃぶ店を探します。
ここで気がついたのですが行きたい店はここからさらに
8ストリートくらい北上するようなんですね。
だいたい8分くらい歩くと言うことですね。

「しゃぶ辰」はおいしい店でした。
店員のサービスも日本風で気持ちの良いものでした。
家を出てから二日もおいしいご飯に出会えなかったので
僕たちはむさぼるようにこれを掻き込んだのでありました。
ビールも一番搾りを飲んで（達也はジュースです）まるで日本にいるようです。
生き返りました。

ところで夜も更けてしまって
これから地下鉄に乗るのはあまりにも恐ろしいので
タクシーを拾ってホテルに帰ることにしました。
近くのアベニューに出て（たぶん3rdAve）タクシーを拾って
ホテル名を告げます。
タクシーの運ちゃんは僕たちを見て
「日本人か」と聞いてきました。
「Yes.」と答えると
「日本人は金持ちだ」とか
「日本人は働き者だ」とか言っています。
どうやらかなりの親日家のようなんですね。
ぼくがつい
「But,I'm not rich.」と言ったら運転手さんはしばらく黙ってしまいました。

ホテルについてタクシーから降りるときに
当地の慣習に従ってタクシー料金8ドルのほかに
1ドルをチップとして渡そうとしたら
彼は受け取ろうとしません。
なおも渡そうとしたら彼は自分の鞄から1ドルを僕に渡して
これを持って行けと言うのです。

これには僕も驚きましたね。
いくら僕がみすぼらしいからと言って
ニューヨークのタクシーの運ちゃんから小遣いを貰うとは思いませんでした。
かといってここで彼と押し問答する英語力は僕にはありませんので
有り難くこの1ドルを頂いて彼と別れました。
世の中には不思議な経験があるものですね。

夜のタイムズスクエアはまだまだ人が沢山いて
少しくらいなら散歩できそうでしたが何よりも僕たちがくたくたで
ホテルの部屋で早々と深い眠りについたのでありました。

夜のタイムズ スクエア、そろそろ観光客は部屋に戻るべし
３日目は自由行動の日です。
僕らはガイド本に出ているデュアンリードという土産物屋さんに行ってみたくて
ガイドセンターに行ってその場所を聞いてみることにしました。
そうしたら受付のお姉さんは手元から
タイムズスクエア拡大図という地図を出してきて
ここと、ここと、ここと、って言う具合にいくつもの丸印をつけてくれました。
「これ貰っていいですか」と聞くと
うなずいてくれたので有り難くちょうだいしてきました。
ほかにも言えばもっといい地図くれたかも知れませんが
残念ながら英語が出来ないので贅沢は言えません。

それでも念願のデュアンリードを見つけ出して
さらにいくつかのがらくたを買いたしたのであります。

その後地下鉄に乗ってプラザホテル近くの五番街駅に行きました。
ここから五番街を南下して散歩その雰囲気を楽しもうというわけです。
このプラザホテルはホームアローン２の舞台として有名ですが
その前からもっと有名なホテルらしくて
あの日本つぶしの1985年の「プラザ合意」は
このプラザホテルで調印されたらしいですね。

問答無用の五番街です。僕らは通るだけ
さすが五番街
あの有名な「ティファニーで朝食を」のティファニーとか
フェラガモとかカルティエとかヴェルサーチとか
沢山のブランド店が並んでおりました。
まあ銀座みたいなところですね。
ただそれぞれの店の前には
屈強のスーツが立っているのが銀座と大きく違うところであります。

五番街のはずれまで来ましたので
どこかで一休みをしようとスターバックスを探しました。
到着時あれほど見かけたスタバでしたがいざ探してみると
生憎なものでなかなか見つかりません。
スタバのカプチーノを映画みたいに持ち歩きたかったのに。

代わりに道端でホットドッグを売っている屋台を見かけたので
これを買ってみることにしました。
ケチャップとマスタードをつけて貰って確か２ドルくらいでしたね。
これがとんでもなく不味かったです。
あんまり不味いので三分の一くらいは道路のゴミ箱に捨ててしまいました。
どこかでコーヒーを飲みたかったのですが見つからないので
結局ホテルまで歩いてロビーの喫茶店でコーヒーを飲みました。

少し休んで今度はタクシーでグランドセントラル駅を見に行きました。
この駅も一度見たかった駅でしたのでとても嬉しかったです。
天井の高い荘重な風格のある素晴らしい駅舎でした。
聞くところによると新装なった上野駅は
このグランドセントラル駅を少しお手本にしているとのことですので
折角ニューヨークに来たので見ておきたかったんですね。
素晴らしい駅でありました。

有名なグランドセントラル駅、広い！右側にチ ケット売り場、左側に列車ホームです
その後再びタクシーに飛び乗ってセントラルパークに行ってみました。
メトロポリタン美術館の北側から公園に入って
貯水池の北の遊歩道を歩いてウエストサイドに抜けてみました。
どこかその辺から
「ユーガットメール」のキャスリーンが出てきそうな雰囲気のところです。

ここでタクシーを拾っていったんホテルに戻ります。
この日は夕方から夜景とディナーを楽しむツアーに申し込んであったので
それまでにシャワーを浴びておかなければならなかったからです。

夕方約束のホテルに現れた丸っこい中年の男性ガイド氏は
汗をふきふき動き回るどこか憎めない感じの人でした。
客は僕たちのほか中年のご夫婦でした。

夜景の見えるレストランで夕食と言うことでしたので
どんなところに連れて行ってくれるのか楽しみにしたはいましたが
まさかのロックフェラービル65階レインボーグリルでありました。
僕はロックフェラーは外から見るものとばかり思っていましたので
ここで夕食をとれたのは驚きましたですね。
さすが円は強いですね。
ちょっと驚きました。

ここは６５階です！むこうに見えるのはエンパイアス テートビル！女性と来るところですね
食事はまああんなもんでしょう。
ここはアメリカですからね。
それにおいしいと思ってもあんなに沢山出されたら食べる気しません。
ところで食事中に気がついたのですが
このレストランはトムハンクスとメグライアンが主演した映画
「めぐり会えたら」の舞台になったレストランのようです。
窓から見えるエンパイアステートビルの見え方が
あまりにも映画に似ているので判ったのです。
後でガイド氏に確認したらやっぱりそうだとのことでした。
こういうところは恋人と来るところですね。
（映画ではここで婚約者と別れるんでしたね　＾＾；）

食事が終わってこれからホテルに帰るのだと思っていたら
ガイド氏が
「これからエンパイアステートビルに登ります」と言うのです。
僕たちは昼間の長蛇の列を経験しておりましたから
これには少し引きましたですね。
またあの長い列に並んでエレベータを待つのか、とげんなりしました。
しかし払った料金分は楽しまなければ、と思い直して
覚悟を決めてついて行きました。
やっぱり夜景もちょっとは見たいですしね。

夜のエンパイアステートビルもやっぱり混んでおりました。
昼間よりはましだとはいえかなりの列です。
1時間近く並ぶでしょう。
その列の最後尾につく前にガイド氏が
一枚のカードをポケットから取り出して僕たちに言ったのです。
「このカードはあらゆる列をとばして先頭に入れるカードです。
これからこのカードを使って展望台まで登ります。
先に待っていた人達の厳しい非難の目に負けないで
私についてきてください」と言ったのです。
特別優待カードというわけですね。

実際このカードの威力はものすごくて
僕たちは列に全く並ぶことなく８０階の乗り継ぎ階まで到着して
ついで８６階まで行くエレベータにもすぐに乗れました。
最強カードであります。
ちょっと気持ちよいかもですね。
でもこんなものは何回もは使う気しませんですね。
前日はpoor、この日はRich、両方の気分を味わえたというわけですね。

エンパイアステートビルからの夜景は想像通りの美しいものでした。
ロウワーマンハッタンもミッドタウンも大迫力です。
それにしてもこの展望台はいつも人が多いです。（←２回しか来てないくせに）

再び最強カードでエレベータを乗り継いで下に降りて
今度はイースト川を渡って
ブルックリン橋の向こう側からの夜景を見せてくれるとのことです。
このスポットからの夜景は以前WTCがあった頃の定番だったような気がします。
僕たちが行った夜は夜景観賞用のデッキとおぼしきところに
夜陰に乗じて幾組ものカップルが抱き合っていました。
それもものすごく熱烈に抱き合っていました。
よそでやれよって感じでしたね。

ここまででこの日のツアーは終了でホテルに送り届けて貰ったら
もう夜１０時過ぎでシャワーを浴びて寝るしかないのでした。
次の日はもう帰る日です。

翌日の朝ホテルに迎えに来たガイド氏は無口な人でした。
淡々と僕たちを空港に運んで淡々とチェックインをしてくれました。
日本人でも長くあちらにいるとああいう風になるのでしょうかね。

帰りの飛行機も来たときと同じボーイング７４７ジャンボ機でした。
近頃のＡＮＡのジャンボの国際便は各座席に液晶のモニターがついていて
１０種類くらいのプログラムから選んで
好きなときに好きな映画を見ることが出来ます。
僕は「THE DAY AFTER TOMORROW」とか「シュレック２」とか何編か見ました。
エコノミーでですよ。

結構な時代になったものです。

以上この夏のニューヨーク旅行記でありました。

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